フリーライター 岸元実春

磁石のように愛情を引き寄せる巧妙な娘の技

桃の節句を迎える3月。
今年も私が生まれた時に母方の祖父母からもらったひな人形を飾り、娘達と色白のきれいな人形のお顔を眺めています。
30年近く経っても色褪せず、お顔も着物も鮮明で、祖父母が良質なひな人形を選んでくれたことに気づかされます。
ひな人形には娘の厄災を代わりに引き受ける役目があるそうで、
私が災いを受けず、幸せな人生を送れるよう願いを込めて、良いひな人形を送ってくれたのだと思います。

祖父母から、両親から、子供はたくさんの愛と、幸せになってほしいという願いを受けて成長していくのでしょう。
長女も4歳を前に、ますます活発になり、時には思いっきり甘え、時には激しく自己主張し、
我欲を前面に出して感情を爆発させています。
そんな娘に日々成長を感じるのですが、最近、愛情をいかに自分に向けるか、
巧妙な技を身につけてきているのではと思わされることがよくあります。

例えば、朝起きた時は、以前はパパに抱っこされて食卓のある1階に降りていったのですが、
今は、ばあばが部屋に迎えに来て、おんぶをしてもらわないと降りていかないのです。
一度、寝起きが悪い日にばあばにおんぶされて降りていってからというもの、
娘の中でそれが定着するようになり、いくらぱっちり目が覚めていても、
ばあばが迎えに来ないと部屋から出ないようになりました。
ばあばには朝の忙しい時間に申し訳ないと思っていたのですが、
「ばあばじゃないとダメ!」と求められることが嬉しいようで、笑顔で迎えに行ってくれます。
娘は、大人が子供から愛を求められる嬉しさを本能的に知っているのかどうか分かりませんが、
上手く愛情を得ているなと感心させられます。

パパやじいじに対しても、抱っこをせがんでくっついて離れなかったり、
叱られたとしても口ではキライと言って泣きながらも、
ひっついて悲しみをアピールしたりします。
まるで愛情の磁石のように、大人が引き寄せられるような巧妙な愛の技をもって、自分に関心を向けさせています。
ママは一筋縄ではいかないと気づいているようで、
ママがダメということは何をしてもダメなので、パパとじいじにお願いして聞き入れてもらったりしています。
ママだけでも厳しくしないとと思っているので、
ママよりもパパやじいじ、ばあばが好きなのかなと思っていたのですが、
ママは別格みたいで、夜眠る時はじいじ、ばあばの所からママの所に戻ってきて、
「さびしかった」と言ってひっつき、一緒に寝ています。
本当に甘え上手で、愛情の受け方をよく知っているので驚かされます。
更なる巧妙な技が繰り出されていくのか、
成長が楽しみです。